〇妊娠ストーリー〇

病院へ行けば、子どもが授かると思っていた

「早発閉経だから、卵は育たない」
心が折れそうでも、夫婦で邁進。
選んだのは台湾での卵子提供でした。

「そろそろ子どもがほしいな」と思った30歳。すぐに子どもが授かると
思っていたのに…。最初は楽観視していたけれど、子どもが欲しいという
強い思いで突き進んだ不妊治療。そして卵子提供にたどり着きました。

30歳、そろそろ子どもを…
「私って不妊なの?」

共通の友人の紹介で20代半ばに出あい、2年後に1歳年上のご主人と結婚したマヨさん(仮名)。
「結婚した頃はお互いがまだ30歳前だったし、仕事も忙しく、まだ子どもはいいかなって思っていました」。
30歳になったマヨさんは「そろそろ子どもがほしいなって思って…。これから半年くらいで子どもが授からなかったら病院に行こうって主人に話しました」。

それから半年、自然妊娠することはなく、病院行きを決心。しかしその頃のご主人は「子どもを授かることに対して危機感もなく、とても楽観視していました。“いつかできるでしょ”ってくらいに」。病院への予約や通院はマヨさん主導で進められました。
「当時は全く知識もなくて、病院に行けば赤ちゃんを授かると思っていました。だから、とりあえず家から近い産婦人科へ行きました」とマヨさん。

排卵誘発剤のクロミッド®等を服用して2クール、タイミング法を試すも、卵は育たず…。
「先生に『そんな人はなかなかいないけどね。だいたいこの薬を使えば、卵は育つのだけど』って言われて…。不妊治療の専門医でもなかったので、そんなものなのかなって」
その後、FSHの値がかなり高かったため、3カ月ほどカウフマン療法を行いましたが、残念ながら卵は育ちませんでした。

トータル半年ほど通って、先生から他県にある不妊治療の専門医を紹介されました。「他県まで行って治療しないといけないの?県内で治療できないの?」と思い、まずは不妊治療を行っている県内の病院を調べ、通院。しかし、これまでの治療方法と同じことを言われたことで、足を延ばして他県の不妊治療専門医をたずねることにしました。この時点で主人がはじめて不妊という現実を認識。「協力しなくてはいけないなと感じた」とご主人。

悩むより二人で前へ進もう
台湾での卵子提供治療へ

病院での説明会に参加して話を聞くと、卵子提供が行われるのはラスベガスやハワイとのことでした。本人が渡航せず治療ができる反面、治療費がかなり高額で実績もほとんどないことが分かって断念。
それからマヨさんがインターネットで調べたのが、大阪での卵子提供の説明会。これが台湾の宏孕(ホンジ)ARTクリニックが開催した日本での初めての説明会だったそうで、「会場のホテルには不妊で悩む多くのカップルがいっぱいで、驚きと共に心強くもありました」。

実はその説明会の帰りの道中には、治療の申し込みのメールをしていたというご夫婦。
「費用が前回聞いていたアメリカの半分くらいで、渡航に関しても台湾なら距離も近いので大丈夫だろうと思いました。日本人スタッフも充実していて言葉の問題もない。先生も『34歳、OK!大丈夫。がんばって仕事は続けてください。サポートします』と言ってくださったのが心強かったですね」。

説明会から1カ月後には夫婦で台湾のクリニックに来院。すぐに治療説明、検査、精子の凍結保存、ドナーとのマッチングまでを一気に行いました。「ドナーに求めたのが、“血液型の一致、肌が色白であること、目が二重、私に似ていること”の4点だけ。リストアップした方の写真を私たちは見ることができませんが、スタッフの方が“この方似てる”と言われた、出産経験もある20代の方に直感で決めました」。

それから2カ月後にはドナーの方が誘発され、卵子を採取。さらに1カ月後に再度、夫婦で台湾へ出向き、移植。翌月には着床し妊娠しました。
その後、安定期までは家から通える国内の不妊治療専門医に通院し、検査データを台湾へ送り、投薬等の指示をメールでももらって順調に推移。そして、マヨさんの地元の産婦人科で無事、女の子を出産しました。

自分のお腹の中で育て、
産んだ「わが子」という喜び

「すっごい、可愛いです」と抱っこしたお子さんを見て、満面の笑顔のご夫婦。「考えている時間、どうなるかわからないことで悩むのももったいない。その間にも歳だけはとってしまいます。男としては言ってみれば、顕微授精も卵子提供もできることは同じ。あとは妻を応援し支えることです」とご主人。
「将来、この子に出生のことを告知するのか?それがいつなのか、考えないといけないことがあります。子どもの成長を見守りながら、夫婦で話し合い、いずれかのタイミングで伝えようと思っています」と話す、現在育休中のマヨさん。この時間を大切に、育児を楽しみたいそうです。

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