子供を授かるまでの道のりは、涙と焦りの連続で、不妊治療を経験した事の無い人にはきっとなかなか理解出来ないものだと思います。幸福なことに、この道のりは辛いものではありましたが、神様の導きのおかげで痛みは和らぎました。それはまさに新約聖書ペテロ5章7節にある「あなたがたの思い煩いを、いっさい神にゆだねなさい。神があなたがたのことを心配してくださるからです。」のようでした。
私と主人は敬虔なキリスト教徒です。私達は20年前に教会の牧師の紹介により出会いました。夫婦仲は良かったのですが、唯一の悩みは15年の結婚生活で子を授かることが無かったことです。子供を持つことは、私達夫婦の一生の夢になり、ゴールとなりました。結婚2年後、私達ははるばる台中の不妊症治療の名医のもとに行きました。検査の結果、医師は主人の精子の運動率の悪さと私の卵子の少なさを指摘しました。従来の体外受精治療で妊娠するチャンスはあるとの診断だったので、私達は不妊治療の一歩を踏み出すことにしました。しかし、初めての治療では残念ながら胚の萎縮により流産という結果で幕を閉じたのでした。その後、同じ病院で2度の体外受精を行いましたが、いずれも失敗に終わりました。失意にくれる私に知人は、まずは中国医学の医師のもとを訪れ身体の具合を整えるようにとアドバイスしてくれました。不妊症の権威だというその医師のもと、私と主人は診察を受け処方された薬を飲み、二人で神に赤ちゃんが欲しいと祈りました。しかし良い知らせは訪れません。最初は熱心にアドバイスをくれ気にかけてくれた友人達も、私達夫婦にプレッシャーをかけるのではないかと心配させてしまい、申し訳なく思ったりしました。
あっという間に私は37歳となり、友人の勧めで台北にある不妊症専門のクリニックを訪れました。そこで従来の体外受精を2回、人工授精を1回行いました。その時医師に、私には重度の子宮腺筋症があり、手術しなければ妊娠のチャンスはなく、また術後半年以内に妊娠しないと今後も妊娠は厳しいと言われました。そこで私は手術を受け、術後半年内に体外受精を1回しましたが失敗、医師はもう妊娠のチャンスは少ないとはっきり言いました。
私は心の中で「もうきっと一生妊娠出来ないんだ、もう子供を持つことは出来ないんだ、神様はなぜこんな試練を与えるんだろう?どうしてこんな人生なんだろう?私が何を間違ったというのだろうか?」何度も何度も神様に聞き、自分にも問いかけました。私はもう40歳になっていました。神様に祈る以外には、養子を迎えるという選択しかありません。でも、私は主人に似た子供を生みたいという思いがありました。
しばらく静かに暮らしました。そして私は養子を迎える事を決意しました。心残りはありました。でも仕方がないと思いました。もう不妊治療をあきらめようと思ったその頃、海外に住む友人から電話を貰いました。彼女は10年間の不妊期間を経て、40歳の時に奇跡的に妊娠をしたと言うのです。彼女は私をあきらめないようにと励まし、彼女が受けた自然周期療法という治療法について教えてくれました。それは毎月少量の薬の刺激により採卵を行い、仕事や生活に影響を及ぼさないものだそうです。また採卵時にも麻酔は要らず、採卵した卵子と主人の精子で受精卵を作り、胚盤胞まで培養した後に冷凍保存し、十分な数量が確保できた後に、一番良いタイミングで移植するというものでした。私はこのような治療法を聞いたことが無く、なんとも不思議な気がしましたが、しかし私の友人はまさにこの治療法を用いて成功したのです。友人は私を、彼女が住む国へ来て治療を受けるように誘ってくれました。しかし、国外へ治療に行くとなるとどうしても私たちの仕事に支障が出ます。そこで主人は台湾でもこのような治療法を行っているところが無いか調べたところ、台北で1箇所見つけました。それがホンジクリニックだったのです。
その後、私と主人はホンジクリニックの張医師が毎月一回行っている無料説明会に参加しました。そこで「黒髪白髪理論」というものを知りました。また問診を受け、子宮腺筋症の妊娠率はどのくらいか聞いてみました。張医師は子宮腺筋症があったとしても妊娠のチャンスはある、あきらめてしまったらきっと後悔するからあきらめないでと仰い、私達は張医師の励ましのもと治療を始めたのでした。
まず張医師は私の年齢、卵子の在庫と質をチェックしたところ、私の状態はあまり良いものではないことが分かりました。特に卵子の量が大変少ないこと、1回の採卵で1~3個しか採取出来ず、受精させて培養して胚盤胞になるものは良くて1つ、胚盤胞までならない時もありました。なんとか胚盤胞までなったものでも、グレードはCBやCCといったあまり良くない胚でした。しばらく経った後、張医師は卵子提供を受けてはどうかとアドバイスしてくれました。私は悩みました。「これは主人の血縁を残すチャンスなのかも知れない、私の卵子がもう使えないなら、卵子提供を受けたっていい、主人がこんなに私を大事にしてくれるんだから、私も彼に何かしてあげたい。」私は卵子提供に向けての治療を開始しました。治療中、私が一番心配したのは子宮腺筋症と卵管の腫れでした。子宮が良い状態であることが、胚の着床もその後の成長にも重要なポイントだからです。張医師はプロの技術でこれらの心配も見事に解決してくれました。
ホンジクリニックの医療チームには大変感謝しています。卵子提供を受けるにあたって、一番最初の法的な手続きから最後の結果に至るまで、細やかなケアとプロのアドバイスを頂きました。今私は妊娠12週を迎え、ホンジクリニックから卒業します。私の人生はまさに、マタイの福音書7章8節にある「求めなさい。そうすれば与えられます。捜しなさい。そうすれば見つかります。たたきなさい。そうすれば開かれます。だれであれ、求めるものは受け、捜す者は見つけ出し、たたく者には開かれます。」のようです。神様、感謝します。人生のどん底にいた私に、会うべき人に会わせてくださり、扉を開けて下さいました。テサロニケの信徒への手紙5章16~18節に「いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。どんなことにも感謝しなさい。」とあります。苦境の中にいても、このような強い信念を持ち、困難が待ち構えていようとも努力してみることを忘れず、苦境を突破しました。それは張医師が絶えず私達を励まし、神に祈るように薦めてくれたことも、私にパワーを与えてくれました。張医師はいつも、生殖医学に関することは安心して張医師に任せるように、子を授かる運命にあるかどうかについては神に祈るように仰いました。2年と10ヶ月に及ぶ治療の過程で、張医師は「感謝する心」を教えて下さりました。私の人生は更に素晴らしいもの、更に価値のあるものになり、更に神を信じるようになりました。神をたたえよう“Praise the Load”。アーメン!