【聯合報╱記者胡宗鳳 /台中報道】2009.10.08 02:45 am
李さん(右)は先月PGD試験管内受精手術を受け、受精成功が実証。喜びの中で夫と抱き合う
不妊治療では、100回の注射に耐える必要がなくなった。中国医薬大学付属病院生殖医学センターの張宏吉主任は、「自然周期法」により、排卵誘発方法を服薬を中心に、注射を補助とする方式に改めた。そして副作用がなく、苦痛が極めて少ない、更に麻酔がいらない状態で採卵を終え、今までに不妊症の女性が2名妊娠に成功している。
張宏吉氏は「『自然周期法』は1回で2~3個の卵子しか採取できないので、実験室のレベルは極めて高くない限り、失敗が起こりやすいです。私はかつてニューヨーク大学生殖医学センターでこれに関する研究に6年間従事していたため、技術を充分に把握しています。ですから、不妊症の女性はこの自然の療法で受精という目的が果たせるのです」と語る。
従来の試験管内受精の技術では、全て腹部か臀部に排卵誘発剤を100回近く注射し、常に患者に苦痛と恐れを与えてきた。
38歳の李さんは、今年9月に張宏吉の「自然周期法」を受診し妊娠に成功した。彼女は昨日、喜びながら「私、お母さんになるのね!」と語った。李さんは主人と10年の恋愛を重ねてから結婚。結婚後は8年間ずっと出産を望んでいたが成功しなかった。夫婦は検査結果が全て正常だったが、かつて2回の人工授精を受けて失敗した。しかし注射を恐れたため、ずっと試験管内受精技術を受ける気にならなかった。
李さんはまた、「そもそも子宝への願いはとっくにあきらめていたのです。ふとした偶然で「自然周期法」を知るようになり、9月9日に受診に伺いました。合計で注射は3本、服薬は5日だけで、9月17日に採卵ができ、19日には受精卵を2つ移植できるようになりました。今ではすでに受精成功は確定です」とも語った。
また、張宏吉氏はアメリカからPGD(胎芽着床前遺伝子診断)技術も導入し、遺伝子疾患を患う家庭の運命を変えたいとも考えている。PGDは妊娠前の遺伝子診断技術であり、試験管内受精コースに使い、胎芽切片と遺伝子診断により、染色体か遺伝子が異常な胎芽を選別し、健康な胎芽の着床率を高め、また遺伝子疾患に患った子孫の出産を避けることもできる。
【2009/10/08 聯合報】http://udn.com/